【無料で売上を伸ばす】ターゲットは絞って搾る【第5回/全7回】\センター長コラム/

絞るからこそ搾り出る

くにたちビジネスサポートセンターの小島和敏です。前回に引き続き、くにビズ式経営支援についてお話したいと思います。

人類史上、現代の経営者は「最もダイナミックで遣り甲斐のある職業」です。しかし、経営者は日々厳しい決断を迫られて常に孤独な存在。そうしたみなさまの相談相手として我々がいます。しかも無料で。でも、一体何をしてくれるの?我々のような経営相談やコンサルティングは利用機会も少なくイメージが湧きにくいかと思います。全7回に渡って支援事例(と他ビズ支援事例を拝借)を基にビズモデル型経営支援を解説していきたいと思います。前回は「価値の最大化=ターゲット設定」についてお話しました。今回は「ターゲットを絞る」についてお話します。
【→前回記事】

価値を軸にターゲットを絞る

ターゲットを絞るのは怖いものです。例えば「国立市中区に住むIT会社勤務の36歳既婚男性で子供3人の家庭」と絞り過ぎてダメなら一からやり直し。しかし広すぎるのはもっとダメ。反応がないと何が良くて何が悪いかも分からないからです。国立市民7.6万人を対象とするよりも国立市在住30代男性4,633人(令和2年時点)としたほうがリーチする方法が考えやすくコストも抑えられ、仮説(ペルソナと呼びます)を設定することで結果も分析しやすくなります。ターゲットは、年齢や性別に限らず、用途やシーンでもOKです。

ひとつ事例を紹介します。ビズモデル発祥の「f-Biz」が支援した、とある食品会社。設備老朽化で小ロット生産にしか対応できず受注難に悩んでいました。大手食品メーカーは最低1,000ロット程度の要求。話を聞けば生産ロットは100個程度、長い社歴のなかで製造ノウハウやレシピもある。そこでターゲットを「小ロットのニーズがある事業者」に設定しました。具体的には飲食店・農林水産業・観光施設といった「プライベートブランド」「ご当地xx」のレトルト食品の開発製造受託。「1,000個なんて発注できない、むしろ100個くらいのほうが有難い」事業者に向けて「レトルトクリエイション」という名前を付けてサービス開始して起死回生の施策となりました。面白いですね。

絞って搾ってから希釈すればいい

株式会社ソーキ 「食べて健康!おつまみ特集」

ターゲットを絞った支援事例では株式会社ソーキ様があります。安心安全な食品や原材料を世界各地から輸入して「栄養機能食品」を開発・製造している会社。超一流百貨店や高級スーパーと取引があるなかで更なる売上向上をすべく注目したのが酒類市場。コロナ過で「運動不足」「家飲み」が増加し、加えて糖質ゼロのビールといった「ギルトフリー」カテゴリーの商品が活況。お酒は楽しみたいけど健康は気になる、そうした方々に向けてコンセプトを再設計し、晩酌しながら美味しく必要栄養素が取れる「食べて健康!おつまみ特集」を打ち出しました。COOKPADでレシピも公開中(こちら)。ソーキ様の商品特性を生かし、「誰が価値を感じて喜んでくれるのか?」という発想のもと、「健康は気になるけど晩酌も楽しみたい中高年層」というターゲットを設定したのです。

もう一例。かき氷は夏限定と思っていませんか?体温をクールダウンさせる役割に着目すれば「サウナ上がりの食べ物」という発想もできます。世は空前のサウナ女子ブームそしてインパクトあるデザートはInstagramやTikTokですぐシェアされ拡散される時代です。「冬は水風呂代わりにサウナ専用かき氷」と、冬でも商機が生まれるわけです。

あなたの商品やサービスの価値が最も発揮する人物や場所、シチュエーションはどこですか?加えてタイミングやトレンドはどうでしょう?くにビズでご一緒に発想や見方を変えて価値を捉え直してターゲットを考えてみませんか?次回は「価値の届け方を工夫する(連携する)」についてお話していきます。お楽しみ!!(毎週水曜更新)

※「センター長コラム」は不定期にお届けします。
※視察・講演・寄稿などご希望あればお気軽にご相談ください。

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