売上アップの秘策、ふるさと納税
くにたちビジネスサポートセンターの小島和敏です。10月に入りますます秋も深まってきました。早いもので今年もあと3ヵ月。商機が増える時期、ぼちぼち商戦準備を始めたいものですね。さて毎年12月だけで年間売上の3割を稼ぐ市場があるのをご存じでしょうか?それは「ふるさと納税」です。今回はふるさと納税についてお話します。
国内屈指の超成長市場、ふるさと納税
右肩上がりの市場規模
ふるさと納税の2021年度市場規模は8,302億円(*1)、前年比23%増となっています。制度開始の2008年以来、右肩上がりの超成長市場です。
国内最大級EC
販路としても大きな魅力があります。リアル店舗だと商圏は半径800m~数㎞程度。これがインターネット販売(EC:Electronic Commerce)になれば商圏は日本全国に拡がります。ふるさと納税は国内TOP5に入るモール型ECプラットフォーム(複数事業者の運営サイトがあるので合算して考えた場合)。いまはBASEやSTORESなど簡単にインターネット販売を始められるサービスが揃ってきましたが無料で手軽に始められて日本全国に宣伝もしてくれる、それが「ふるさと納税」です。
「ふるさと納税」に関する3つの誤解
東京都国立市の超人気返礼品「玉屋洋服店」
東京都国立市ではどのような商品が登録されているのでしょうか?登録事業者数は約30社、出品数は約120品となっています(2022年9月時点)。とりわけユニークかつ人気商品なのが高級オーダースーツ専門店「Tamaya KUNITACHI(玉屋洋服店)」。テレビ朝日の人気ドラマ『相棒season21』で亀山薫さんを演じる寺脇康文さんへの衣装提供、東京ヴェルディビーチサッカーチームへの衣装提供もされています。その玉屋洋服店の人気返礼品が寄付額80万円のハイグレードオーダースーツ仕立券。「Ermenegildo Zegna」「Loro Piana」など超高級インポート生地のスーツを仕立ててくれます。「えっ?!スーツ?」「えっ?!80万円!!」と思われるかもしれません。でも売れていて大好評なんです。ふるさと納税というとお米やお肉が報道されがちですが、こうした上質で本物の価値ある商品はきちんと発見されてファンがつく、これもふるさと納税のひとつの側面なのです。
米だけで171種類!の新潟県魚沼市の返礼品
ほか自治体を見てみましょう。返礼品としてはその土地の地場産品となり、3,000近くの返礼品を揃えている自治体もあります。面白いのが「魚沼産コシヒカリ」で有名な新潟県魚沼市。お米だけで171品(小島調べ)の返礼品があります。もちろん魚沼産コシヒカリにそれほどの品種があるわけではなく、内容量や定期便など細かく変化をつけることで多様な消費者ニーズに対応しています。「米」というモノの価値だけに捉われずサービスの価値を柔軟に組み入れることで顧客価値を向上させています。マーケティングとして面白い好例ですね。
ふるさと納税の3つのポイント
ふるさと納税で誤解しやすいポイント3つを整理すると、
1. 返礼品は食料品・工芸品・サービス・高額商品と多彩
2. 寄付額は1,000円から2億円(!)まである
3. 一事業者何品でも出品可能
ふるさと納税は大いなる可能性がある成長市場です。チャンスがあります。とはいえなんでもかんでも出品できるわけではありません。総務省告示の基準に適合した返礼品である必要があります。地方税法に基づく制限もあります。また返礼品として登録すれば売れるわけではありません。一般的なマーケティングとして、ふるさと納税ならではの、コツもあります。くにビズではふるさと納税に関するお手伝い・ご相談も承っております。年末商戦に向けてチャレンジしたい方はぜひ相談予約のうえお越しください!
*1 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和4年度実施)」
*2 東京都国立市の返礼品:ふるさとチョイス/楽天ふるさと納税
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